12話     真実と嘘、信じるも信じないも相手しだい















よく笑い、よく叫ぶ
ころころ表情が変わって
見ているこっちの方も思わずつられて笑ってしまうほどの表情豊かな少年
だが・・・今の表情はなんだ?



っ・・・!」

「動くな前田・・・」



に刀を突きつけていたのは竜の右目
彼は俺らみたいにあの姿になっておらず人間のまま
武将でも忍びでもないに遠慮なく強烈な殺気
彼にの正体などどうでもいいのであろう
ただでさえ主君がこのような姿になっている状態で、明らかに不審人物な俺たち
命を狙いに来た間者と思われるのも当然だ
だが俺は身元がはっきりと知られてるし・・・こんな姿だどうとでもなるだろう
だけど・・・



「っ・・・」



の首に刃が食い込み
俺もその場から動く事ができない
元の大きさだったら・・・もうちょっと何とかできるのに・・・っ
自分にある状況を歯痒く思いつつ、に突きつけられている刃を睨む
今動いたらあの刃は躊躇なく青年を切りつけるだろう
普段の彼ならここまでやらないだろうが
主が訳のわからない姿になっている今、
近づいた物は容赦なく消されるだろう



「やめろよっ!!独眼竜、そいつは・・・」

「小十郎、牢に入れておけ・・・」

「ッ・・・」



独眼竜に訳をもう一回話そうと試みるも無駄に終わる
竜の右目はの手を後ろに捻り上げ
有無を言わさず連れて行ってしまった
捻りあげられた時のほんの一瞬が辛そうに
でも声を上げないよう息を呑み込んだのがわかった



襖がぴしゃりとしまる音が響く



「ッ・・・独眼竜・・・」

「風来坊、てめぇあんな話本当信じているのか・・・?」



冷たい瞳をした独眼竜











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こじゅが俺と同じくらいの青年を連れて地下牢へと向かうのが見えた
曲者が梵の部屋に現れたと聞いていたがあいつか?
顔は笑えば可愛らしいだろうけど今は無表情
でも、忍びって感じも何もない
俺はこっそりと二人の後をつけていった



「暫くここにいてもらう、政宗様の判断が下るまでな」

「・・・・・・」



こじゅが冷たく言い放つ
梵があの姿になってからずっとこんな感じだ
牢に入れられた青年はただ何もいわずこじゅを見つめる
こじゅはそれを一瞥し、そのまま戻っていった
いくら一通り掃除されているとはいえ地下牢
薄暗い中ここに置き去りにするのか・・・?こじゅ
そりゃ、梵の命を狙ったっているなら俺も納得できるけどさ・・・
今のこじゅや梵じゃ少しあてにならない



俺はこっそりと檻に近づいた
青年は膝を抱え虚空を見ていた



「俺は檻の外からその様子を見つめた」

「・・・・・・」

「だが青年はそれに気づかず寒そうに身を震わせた」

「声・・・出ているよ?」



青年が呆れた用に苦笑し俺を見つめてくる
あ、なんだ・・・普通の子じゃない



「あはは、なぁ、お前本当に梵の命狙いにきたのか?」



気を取り直して少年に問う
目を見て意見はきちんと聞かないとな




「違う」




即座に言い返してくる少年
真っ直ぐな目で言い返してきたが
信じてもらえないだろうけど・・・とぼそりと呟き目を伏せまた丸くなる
あぁ・・・;



「いつもは、あんなじゃないんだよ・・・?梵も、こじゅも・・・」



一応ふぉろーは入れるが、無理だろうなこりゃ;
なにやってるんだよ・・・まったくもう;



「仕方ないよ・・・曲者だもんな・・・」

「なんで城に入ってきたんだ・・・?;」



まずはそこ、状況を把握しないといくら俺でも対処できないからね
でも青年は迷い、中々言葉を発してくれない
当然だ・・・さっきのようなことがあったのだから
たくっ馬鹿梵ー馬鹿こじゅー



「俺は伊達成実、お前は?」

「・・・

か、大丈夫、ちゃんと真剣に聞くから・・・だから話してくれないか?」



俺がそういうと
青年は、少し戸惑った後
通常では信じられない事を俺に言った



まりちゃんという俺らの世界の神が戦や争いごとが嫌いで
んで、そういう困った奴らをまりもという姿に変えていった為に世界の均衡が崩れて
んで、力もほぼ失ったから訳ありの青年に協力を頼んで
姿を変えられた武将を戻そうと風来坊と旅をしていると・・・
んで、たまたま連れてこられたのは伊達の城の中で梵の部屋に現れた



これが青年が言った話の内容



・・・・・・ん?



「風来坊とは何処であったんだ?」

「わかんないけど、慶次は最南端に向かっているって言ってた」



森の中であんな小さい慶次を見つけたのは奇跡的だったよと、苦笑しながら言う青年
・・・小さい?
あれ・・・俺は何か重要な事を聞き逃してなかったか?;



「風来坊ってひょっとして・・・」

「君と同じ姿だったんだよ」



そう言って俺を指差す青年

・・・そう・・・
俺も梵と同じ姿・・・
鍛錬を梵としていたら急に体が光りこの姿になっていた
ちょっと青に近い空色ってところかな・・・
正直この姿になった時は落ち込んだ
訳がわからなかったし・・・



「風来坊は今もこの姿・・・?」

「ううん、人型だよ、小さくて可愛いけど」



さらっと言う
・・・・・・



「ごめん・・・ちょっと待ってて・・・;」



俺はその場からだっしゅで風来坊の所に向かった
もしが言ってることが本当なら・・・

















ガラッと風来坊と梵がいるはずの襖をガッと明けて飛び込んだ



「An?なんだ成実」



見るとこじゅと梵に縛られてる風来坊の姿
・・・小さいけどちゃんとした人の姿・・・
彼が言っていたのは本当のこと・・・



「ちょ、何してるのさ梵!!;」

「こいつの頭冷やしてるとこだ」



ぶらーんとコジュにつるされている風来坊
何処となく苦しそうだ



「あーもう!!何してんの二人とも!!駄目だってこんなことしちゃ」



離してよこじゅ!といくら叫んでも下ろしてやってくれない
固い頭が余計固くなってる



は嘘ついてないよっ、あいつの目見ただろっ梵!いつもの梵ならわかるだろっ!!」

「Ha!あんな話信用できるか・・・っこんな間抜けな姿になった俺におもしろくもねぇジョークを言いやがって・・・」

「とりあえず、風来坊を離してやってよ!このままじゃ元に戻れるのも戻れないよ!!」



ありったけ叫び、梵のふわふわの頬を叩く
成実!というこじゅの声が聞こえるがそんなの知った事か!
お前が頭冷やせって・・・!



「駄目だ」



頬を摩りながらそれでも折れない梵
なんだよ・・・くそう・・・



「成実・・・でてけ」

「っ・・・」



ひょいっとこじゅに摘まみ上げられてぽいっと部屋の外に投げ出される



・・・・・・
歯痒い
こんな簡単に外に放り出されるなんて・・・



何とかしないと・・・
このままじゃ奥州が駄目になる気がする
とりあえず俺はの元に走った





























NEXT























舞台裏という名の独眼竜虐め(激しく雰囲気ぶち壊しなので注意)













政:・・・・・・;;

慶:独眼竜酷ぇ・・・

佐:見事だねいっそ

親:右目にしか信頼よせてねぇしなぁ

幸:というかコジュ殿は人型なのでござるな・・・

兄:かわいそー

政:俺だって・・・したくねぇよ・・・でも馬管理人が・・・

成:でも梵、もっと心を豊かにな?

政:ってめー成実!!なんでお前が美味しい所取ってんだよ!!

成:えー俺今まで出てなかったんだからいいじゃない、たまには

慶:成実の活躍がここでは主らしいからなぁ

佐:独眼竜もこれから名誉挽回してけばいいんじゃないの?

親:でもにきつい当たりをしてるしなぁ

幸:政宗殿はさいてーでござるっ

政:っ・・・(ぱくぱく)

成:まぁ、梵虐めるのはここまでにしといて、俺が異国語いってるけど、梵から教わったからしゃべれるんだ

慶:ここは、特に本編とは関係ないから、読まなくもいい・・・てか読んでるお姉さんいるのかな?;

佐:どうだろ・・・管理人の趣味ブッぱしってるとこだからねぇ・・・

兄:相変わらず長いしな・・・

親:ちなみに、くだらねぇおまけがこの中に隠れているそうだぜ?

幸:お時間が空いてるのでござったら探してみてやってほしいでござるっ

政:次回予告『好き?嫌い?左右される判定』

慶:あ、ちょっとまともそう

親:・・・そうかぁ・・・?;

成:また見にきてなー







2008 4/4