5話   可愛いものには弱いんです












「な、なぁ・・・ここを通らないといけないのか・・・?;」









めっちゃ中通ってるんですけど;;
周りをうかがいつつ慎重に進む
ときどき慶次に言われ、その辺の箱を壊しつつ(中にはおにぎりが・・・)
これ泥棒だよね・・・?
よくRPGとかは主人公がその辺の宝箱からアイテムやお金を拾ってけど
これって泥棒だよなぁ、とかテレビ画面見ながら思ってるけど
実際こういう風にしてるとその思いが現実味を増すっていうか・・・




慶次に『これ泥棒じゃねぇ?』と聞くと
『え?普通だろ?』と返された・・・





普通・・・?普通なのか?;;
そんな物なのか?・・・ゲームの世界・・・
現実世界じゃ察に捕まりまっせ
ここまでゲームみたいにリアルに再現しなくていいよまりちゃん・・・





そんなどうでもいい事を考えつつ進んでいく
途中でからくり?みたいなのもあり、中々スリリングだ
そしてぱっと見人は見当たらないけどずっと鳴り続いている音楽





ザービ♪ザビザビザビ〜♪





変な歌・・・
・・・なんか勝手に耳に入ってくるぞ
と、鳥肌が・・・


こそこそと、慶次に促されながら建物の中を進むにつれ
どんどんその音楽が大きくなってくる
時々『愛〜』って単語も聞こえる





「アイユエニー・・・?」

聞いちゃ駄目だぞ?;耳ふさいどけっ」





ポケットの慶次が両手を振ってわたわたとしている
そんな事言われても・・・
耳塞いでても勝手に耳に入って来るんだもん・・・;
頭がぽーっとしてなんか気持ち悪い・・・
視界がだんだん歪んできた
あ〜・・・何か見えるよ・・・





慶次は焦りはじめた
今の今ではちゃんと自分の話に返事をし返していた
だが出口まで後半分くらいという所で
の目の焦点は合っておらず
その場に立ち止まりぶつぶつ何かを言っている





やばい、やばいぞこれ・・・;





慶次は精神力はあるほうだが
どうやらこの青年にはここはきついらしい
こっち側に戻さないと大変な事になる






・・・色んな意味で・・・






は立ち止まっていたかと思うと急に道の真ん中を堂々と歩き始めた
そして中心部のほうへ・・・


会ってほんの少ししかたっていないが好感がもてる青年だと慶次は思った
もっと話とかしてみたいし、こんな姿の自分だけれど普通に接してくれた
どうやら旅の途中らしいし・・・なんかほっとけなかった
武将でも、なんでもないちょっと変わった青年
もう少し一緒にいたいと・・・思った
普通の一般人でも自分はこうするだろうが、そんな思いもかさなって・・・
だから必死になって一生懸命に呼びかけた





!!!;そっちは駄目だ!!!;」





慶次が呼ぶ声が遠くなってきたよ・・・
あぁ・・・俺どうしたらいい・・・?
何かが手を差し伸べてくる
これとっていいのかなぁ・・・





!!;そっちにいったら中々戻ってこれない上にてっぺんハゲになるぞ!!」

「・・・・・・」

「そんでお前の友達とかにももう会えなくなるぞ!!!」

「・・・・・・」

「せっかく会ったのに俺とだって一緒に行けなくなるぞっ!!!!」





・・・・・・・・・・・







伸ばしかけた手を引っ込めた







いやだ・・・
てっぺんハゲはいやだ
に絶交されちゃうのも嫌だ
なによりも会えなくなるのは嫌だぁ・・・





そう思った瞬間
差し出されていた手は消えて
慶次の声がだんだん戻ってくる
はっと見ると隅っこを歩いていたはずの俺は道の真ん中におり
大きな扉の前に立っていた





「・・・あら・・・俺・・・どうして?;」





俺がそう呟くと慶次が必死な表情からほっとした表情に変わった
俺・・・軽く洗脳されかけてたのか・・・今;;
なんか妄想とは別のところに飛んでいたような気がする
そしてさし伸ばされてた手



よかった;よかったぁぁぁぁ!!!;;
あの手をとってたら俺どうなってたんだろう;;
慶次が言うようにに会えなくなってて
助け出す事も出来なくなってたかもしれないんだ;
考えるだけでゾッとする
も、もう洗脳されないぞ!!絶対!!!;





「よかったぁ」





本当に安堵したような声色で言う慶次





・・・ごめんな・・・
凄い心配してくれたんだな
こんな会ったばかりの見知らぬ他人なのに・・・





「ありがとう・・・慶次」

「あぁ、気にすんな!」





にこっとそう言ってくれた慶次
やばい・・・嬉しいぞ・・・
なんていうかこそばゆい
社交辞令でもなんでも今までこういってくれる人
以外いなかったんだよな





・・・・・・・・





「あのさ、慶次」

「ん?なんだ?」

「さっき呼びかけてくれてたときなんかすげぇ嬉しいこと言わなかったか・・・?」

「・・・・・・・」





あ、黙り込んじゃった
・・・俺の勘違いだったかな;
でも、空耳でも何でも、とっても嬉しかったからよ
言ってくれた・・・という事にしておこう、うん
自惚れてるだけかもだけどさ・・・



そう俺が自己完結していたとき
うつむいた慶次が聞こえるか聞こえないかくらいの声でボソボソと話始めた





「あのさ・・・お前が旅してるんなら・・・」

「ん?」

「これからも・・・その・・・一緒にどうかな・・・って・・・」





頬を少し赤くそめてチラッとこちらを見てくる慶次







・・・・・・・・・・・・







お兄さん我慢できないよ・・・?







「狽ャゃっ!!ちょ、っ!!?;;」

「いやぁ〜なにこのかわいい生物〜〜〜vvv」





あまりの可愛いさにおもわず頬ずりをしてしまった
潰さないように手におさめてぐりぐりと・・・



ちょ、あんま刺激しないで!!
可愛いもの収集の本能が目覚めるから!!





「やぁめぇろぉよぉぉぉぉぉ;;」





頬でぐりぐりされている慶次から悲鳴が漏れる





狽ヘ、俺ってばこんな道中なんてはしたない事を・・・





「オーウ新シイ信者の方デスか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





・・・目の前に何か浮いてる





「ザビーランドどんなカタでも大歓迎ヨ〜」





そのまりもを見たとたん
・・・・慶次がものすっごく嫌そうな顔をしてその物体を見ている



ザビー・・・
ザビーというと
サンふらんしすこザビエルしかシラナイヨ・・・?
え、サンは要らない?
あ、気にしない俺歴史超苦手デスから・・・
赤点すれすれを通ってきた人ですから・・・(ふっ)





「修道のカタもバッチこいよ〜」





修道じゃねぇよ・・・こら
ふよふよ浮いてなんかやたらと歓迎してくる
通称ザ/ビ/エ/ル





あぁ・・・に会いたい
会って慶次紹介してそして約束してたカラオケにいきたいな・・・ぁ・・・・・・





・・・現実逃避しないの・・・」

「・・・だってさぁ・・・」





慶次の時はすぐに反応した可愛いもの収集レーダーが
今回はからっきし・・・





「ノー・ザビー!!ノー・ライフ!!」
「ザビー教教義第十節、愛は戦いを生む」





浮くまりもの後ろにはさらに沢山の
まりもまりもまりも・・・
一匹一匹が訳のわからないことを口々に唱えている





「可愛くねぇ・・・」

「そういう問題か・・・?;」





だって、だってだって・・・
慶次がこんなに可愛いのにこいつら・・・





「ザビー教教義第八節・この髪型には愛が宿る!」





全員てっぺんハゲのこゆい親父顔・・・っ
それがわさわさと広い会場の中に何百匹も・・・






「んなもん宿るかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」

























NEXT
















どうでもいい舞台裏




慶:・・・・・・うわぁ

佐:こりゃ想像しただけでキモイね★

親:ちなみにザビーの言葉の参考にしたのは小説『戦国BASARA2Cool&Gang』を見てらしいぜ

政:A〜・・・あれか、そういやお前は身をもって体験してるんだよな

親:まりもじゃねぇけどなあれはちぃとばかし焦った

幸:あめーじんぐなんとかでござるか?

佐:狽ソょ、旦那そんな言葉どこから教わってきたの!;駄目でしょ!知らない人にもの教わっちゃ!

まりもザビー(ザ):オ〜アニキぃ久しぶりネ〜

親:買Qッ!!

佐:ぎゃぁ、キモイのがいるっ!!!;

政:・・・OH・・・

幸:このまりもから教わったでござるっ

親:お前、なんか知らず知らずに植え込まれてるな・・・

慶:ちょ、このまりも・・・潰していいかなぁ(刀持ち)

佐:うん、風来坊俺様止めないっ旦那!あんたはこっちで団子でも食べてなさい

幸:おぉv

親:俺も手伝うぜ慶次っ!

政:A〜・・・まぁわかるがそう熱くなるなよ

ザ:オ〜?

政:ん?

ザ:あなた〜私にちょっぴりにてるわネェ〜キャラ被っちゃうから駄目駄目ヨ〜

政:・・・・・・・・・・・・・(ピシっ)

慶・佐・親:あ〜・・・

兄:え〜と、ザビーファンの人にはすみませんでしたっ(ぺこり)
(後ろで政宗がザビーにBASARA技中)











2008 3/5