4話 おしい、一文字違い!!
目の前のきぃちゃんをじぃっとみつめる
え、喋るのこの子・・・
しかもなんか俺よりずっと男らしい
カッコいい声してるんですけど・・・
よ・・・予想外・・・;
手のひらのきぃちゃんも俺をじぃっと見ている
あ、おびえが消えて警戒の目になってる・・・
え、俺なんか悪い事した?;
そ、そんなに見られると
・・・照れちゃうじゃない・・・・・・ゴホン
内心悦ってると、きぃちゃんの俺を見る目が厳しくなった
「なぁ、あんたは俺になんで触れるんだい?」
「はい?」
・・・・・・・・・・・・
いや、なんでって・・・普通に触れるんだけど;
返答に困る俺になおもきぃちゃんは問いかけてくる
「それに見たこともない奇妙な服着てるし・・・こんな森の中で・・・」
森の中は俺のせいじゃないよ?;
まりちゃんのせいだもん
そっか・・・戦国時代だもんな・・・この格好じゃ浮くか・・・
俺の格好といえばTシャツにジージャン、そんで黒ジーンズ
ついでに運動靴ときた
現代で言えばオーソドックスの格好なのだが・・・なぁ;
「え、えと、俺はその・・・;」
「・・・なんともないのかい?」
「はい?;」
きぃちゃん曰く、きぃちゃんに触れた人は皆雷にやられたみたいに黒こげになるらしい・・・
死にはしないが、軽く意識を飛ばさせてしまうらしくきぃちゃんは人がいるところから抜け出してきたという・・・
・・・感電?;
「いや、俺は平気みたいだけど・・・」
「・・・夢吉以外は俺に触れなかったんだ・・・」
なぁ、とお猿のほうを向いて微笑むきぃちゃん
お猿はキィ、と小さくなきそっときぃちゃんを撫でた
そういや・・・まりちゃんが普通の人はまりもになった武将に触れれないって・・・
・・・・・・
「きぃちゃん・・・」
「そのきぃちゃんて俺のことかい?」
聞き返してきたきぃちゃんに頷く
もしかして・・・このこ・・・
「あの、よかったら名前とか、教えてもらえる・・・?」
名のある武将、BASARAのメインキャラだったりするのかな?
め、メインキャラだったら嬉しいよな・・・
なんとなくこの子だったら人に戻してもすぐに切ってきたりしないような気がする!
根拠はないけどなんていうか雰囲気が!
「あぁ、あんたにゃ久々に人肌ってものを感じさせてもらったし、悪い奴じゃなさそうだし、いいぜ!」
言い方がなんかそっちを連想させるけどこの人、素なんだろうな・・・;
でもこちらはありがたいけど
きぃちゃんはにこっと笑って
「俺は前田慶次!!よろしくなっ」
今はこんななりしてるが・・・一応人なんだぜ・・・?
と笑顔が曇り、寂しそうに言われた
その顔が心細そうに歪められて(といっても眉が下がっただけだけど)
ご、・・・ごめんな・・・!;
まりちゃんに後で土下座させるから許してあげて!!;
「俺、よろしくな前田さん」
頭をちょんちょんと撫でながら言う
あ、この声あれだ・・・
声優の森●さんの声で・・・
頭に羽
前田慶次・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
「って主人公じゃん!!!!」
「煤I!?;;」
そうだそうだ、どこかで聞いたことある声だと思った!
深夜CMでながれてたんだよ
曲がラップ調で確か・・・2が発売したころだったかな
なんとなくだけど見ててかっこいいなーって思ったんだ!
初期にが語ってた気がする!
思い出した思い出した
そっかぁこのこが・・・
俺きぃちゃんとか呼んじゃってたよ
「よかったぁ・・・前田さんなら安心だぁ」
「・・・・っ・・・っ!!!!;;」
「キキィ!!;;」
あれ・・・?;
お猿さん、もとい夢吉君がキィキィ慌てたように鳴いている・・・
・・・・・・
あ゛・・・!!!!;;
「ご、ごめん前田さんっ!!;;」
「ぷはっ・・・!!;;」
思わずガッツポーズをし、力一杯握り閉めてしまっていた・・・
ぱっと開いた手のひらからゼーゼーと苦しそうに喘いでいる前田さん・・・
心なしかふわふわのまりもっ毛がくしゃっとなってしまっている
「ごめんよごめんよ・・・嬉しくてつい;;」
「げほっ・・・あー;苦しかった」
ピンクのほっぺに苦しさからかちょっと赤みがまして
可愛さ倍増、でも口に言ったら怒られそうだから言わない
俺が悪いしね;
前田さんの背中?辺りをちょんちょんと触る
つっついたら簡単に吹っ飛んでしまいそうだから・・・
「もう、大丈夫・・・あと前田さんは止めてほしいんだけどなぁ」
「え、じゃあなんて呼べば・・・」
困ったように言われる
確かに俺も苗字呼びされるのはなんかいやだな・・・
でも流石に初対面でフルネーム呼びはアレだし・・・
フレンドリーに呼べればいいけど・・・なんか失礼な気がするし・・・
「何でもいいぜ?例えば風来坊とか・・・慶ちゃんとか・・・」
うーん、と口を点にして(見た目がね)考えている前田さん
あぁぁぁ・・・可愛いぃぃぃぃ・・・
いいの!?慶ちゃんって呼んでいいの?
この姿だけみると慶ちゃんと呼びたい!!
でも残念ながら本体をよく覚えてないんでちょっと悩む
俺よりもし小さくて可愛らしかったらその時は是非とも慶ちゃんと呼ばせてくれ
というか・・・意外とさっきの近かったんだね
きぃちゃん、けぃちゃん
うん、一文字違うだけ!!
もう見てるだけで思わず顔がにやけてしまうではないか・・・(危ない)
「・・・ってそう笑っていると女の子みたいだね・・・」
「・・・・・・」
いつの間にか考えをやめて俺を見つめていた前田さん
・・・ごめん・・・
笑ってたんじゃないの、君をみてにやついていただけだからっ
俺男だけど可愛いのとか好きなんだ
リラッ●マとかチョ●パーとかモノクロ●ーとか・・・
家にもグッツが沢山あって・・・
全部にクレーンゲームでとって貰ったんだけどね
俺はへたっぴーだから
あ、突っ込むとこそこじゃない?
うーん・・・が女の子に間違われるのみてるからあまり俺に言われてるって実感がないんだ
をこの子に見せてあげたい
俺なんかよりよっぽど美人で女の子みたいだから
本人を前にこれいったら引っ叩かれるけどね
思いっきりグーで
「女の子に失礼だって、笑ってたのは前田さんが可愛いから・・・つい」
「・・・・・・」
あ、すっげー嫌そうな顔
わかってるよ、野郎に可愛いって言われても嬉しくないんだろ
でも、もしここに鏡があったら君の姿を写してみせてあげたいよ
どうだ、可愛いだろうと・・・
・・・・・・見せたらショックで倒れるかもしれないが・・・・・・
「んじゃぁ、無難に慶次・・・でいいか?」
「あぁ!全然かまわないよ」
ニコっと笑うきぃちゃん・・・じゃなかった慶次
よかったー会えてよかったー;
こんな所運がよくなけりゃこんな風に会えないもんな・・・
そして本当一番初めが慶次みたいなこでよかったぁぁ;
もしかしてまりちゃんが・・・これを見越して・・・
まりちゃん、お礼を言っておくよ
森の中を慶次の案内で進む
俺の右肩には夢吉が、胸ポケットには慶次がいて
ポケットからちょこんとちっちゃい手と顔を出して前を見据える
うん・・・・
・・・あえて心の中で悶えておこう・・・
そして歩きながら話を聞くとどうやら慶次がこの姿になったのは約1週間前で
京を出て日本の最南端行く途中だったらしい
ちなみに俺のほうは言いたくなければ言わなくてもいいとのこと・・・
「悪い奴じゃないし、俺はを信じるよ。まぁ言えるようになったら言ってくれな?」
・・・慶次・・・お前いい奴だな・・・
おもわずじーんときてしまった
言える時になったら言うよ;
信じてくれてるって言ってくれてるのは凄くありがたいし嬉しいんだけど
俺がもし今の俺の状況を他人からいわれたら信じられる自信はあまりないから・・・
「ごめんな・・・」
「なに、人にはいろいろあるってわかってるからよ、俺もあるし・・・」
にこっとちょっと寂しげに笑う慶次
うぅ・・・こんなことならBASARAやっとくべきだった・・・
そうすればすこしでも慶次の事がわかるのに・・・
しょぼんと落ち込みながら慶次は気にすんな!って慰めてまでくれた・・・
本当なにこの子・・・
惚れるよ?(あ、男としてね、恋愛対象じゃないよ)
どうもこいう方向に過剰反応しちゃうなぁ・・・;
とりあえず・・・最南端って事は・・・九州とか沖縄か・・・?
でもこの時代は沖縄は確かまだ日本ではなかったような、あったような・・・
あ、駄目だおれ勉強全然だったからわかんねぇ;
夢吉に乗ってこの森を移動していたとは驚きだ
こんな体でこんな森を・・・
思わずほろりとしてしまう
慶次がこの姿になる前も戦をやっている各国で異変が起きていたらしい
今まで戦をしていた所が急に大人しく静かになり動かなくなったとのこと
そしてここ一週間前後あたり戦をしたという情報はどこからもこない
変だと思った慶次は自分の友人を手当たりしだい当たっていこうとし、
叔父、叔母に見つかり京から飛び出して逃げてる最中にこうなったと・・・
・・・ひょっとしたらそれが原因では?;
国をまたに駆けて追いかけっこ・・・
なんてスケールがでかいんだ前田家
でもどうやらまりちゃんが言ってたことは本当らしい
きっと他の武将達も慶次みたいな姿になっちゃってるんだ・・・
まりも・・・
まりも家族ってのができそうだ・・・
「、」
「ん?あ、あぁ何?;」
頭の中で団子●家族が慶次を筆頭にまりも大家族に変換され流れていた
危ない危ない;;
ポケットの慶次が心配そうな顔で俺を見ている
たまに意識が別の所に飛ぶから・・・
慶次を前に失礼だよな俺;
妄想は自重せよ、をもっとうにしよう;
おたく思考禁止だ、俺!;
「大丈夫か?顔が変だったぞ?」
「・・・失礼な;」
「まぁそれはいいとして、これからちょっと危ない所通るぞ?」
いや、よくないから;
変って・・・一応『まぁまぁなほう』って、
のお墨付きもらっている顔なんだから!;
って・・・
「・・・危ないとこ・・・?」
「あぁ、見つからないで通らないととんでもない事になるかもだから・・・」
ちょっと嫌そうに顔をしかめる慶次の言葉に首を傾げつつ
森をしばらく歩くと道がひらけた
・・・・・・・
「何だこの変な建物・・・」
そこには奇妙なでかい建物があり、中から奇妙な音楽が流れてくる
あ、なんか頭ぽーっとしてきた
・・・俺、下手すると洗脳されちゃうらしいよ・・・
NEXT
どうでもいい舞台裏
政:・・・おい・・・なんでよりによって最南端向かってたんだよお前は・・・
慶:う;
幸:慶次殿何故こちらに来られなかったのですか・・・
慶:だ、だって・・・
佐:正反対だよねぇ・・・とくに独眼竜の旦那のほうは
慶:さ、佐助よけいな事言わないでくれよって・・・ちょ、睨むな政宗!;
親:よしよーし・・・俺のほうは近いな・・・よくやった慶次!
慶:うぅぅ、元親ぁ・・・;
兄:でも次はあそこの場所・・・(ぼそり)
政:どこだ?
佐:げ;もしかしてあそこぉ;あそこは俺様いやだなぁ・・・
親:よりによって一番初めの場所があそこかよ・・・
幸:どこでござるか??
慶:俺も嫌だ・・・思い出すだけで腹が気持ち悪く・・・うぅ;
兄:続きはまた今度!!では(逃走)
全:伯セい逃げかよ!!!
2008 3/2