19話 心配かけてごめんなさい
目が覚めた時見えたのは上質な木を使った天井
木目が凄く綺麗なんだ
そしてほのかに香る畳の香り
俺どうしたんだっけ・・・
動くのが億劫でぼーっとそのまま二度寝に入ろうとする
あぁ、そうだ
確か政宗さんを探しに外に出て
んで、森の中見つけて仲直りして・・・・・・
そしたらどっかの忍びに襲われたんだっけ
んで背中に・・・
「ッ・・・」
ズキッと思い出したかのように背が痛む
・・・・・・刺さったんだよな・・・多分
でもあの時はただ熱いって感じて
んで、痛みがどんどん押し寄せてきて・・・
そのまま気絶したんだっけ俺
・・・・・・
・・・人生初経験だよ・・・
気絶ねー・・・うん、初体験・・・
脳内で似た様な言葉を何回か繰り返して現実逃避に至る
やっぱり本来の日常ではなかなかありえない経験だよな
てか傷口を下にして寝ていいんだろうか俺は・・・
「よっ・・・」
ゴロンと今更ながら傷口を上にしようと寝返りをうつ
傷口が下になってたのは
もしかして俺の寝相が悪かったから・・・か?;;
意外に結構痛い・・・
ぐにっ
「あ゛・・・」
・・・
今、なんか踏んだ感覚があった・・・
なんか伊達さんを踏んだ時の感覚ににている
まさか下を見たらすべて夢で実は伊達さんを踏んづけたところからって落ちじゃないだろうな・・・;
いや、でもそれじゃこの背中の痛みの説明がつかない
じゃぁ・・・この感覚の正体は・・・?;
「・・・;;」
恐る恐る下を見るとそこにはじたばたと
見るからに下半身だけがばたばたと動いている
だから上半身は俺の下敷きね
「う゛〜っう゛〜!!!;;;」
「げ;慶次・・・ごめん;;」
慌てて身体を少し起こす
あまり大きな動作が出来ないため仕方がない
俺がどいた事により慶次は上半身を慌てて起こしげほげほと苦しそうにむせていた
「あー・・・;;ごめんごめん;大丈夫か・・・;」
背中を指で摩りつつ謝る
意外と苦しいよなぁ・・・人に潰されるのって
危うく俺は慶次を圧迫死させるところだった・・・危ない危ない
暫く咳が止まらなかった慶次は恨めしそうに俺を見た
「・・・背中・・・」
「ん?」
「背中・・・大丈夫かい・・・?」
ぼそっと、拗ねながら
でも眉を八の字に下げ心配げに見つめてくる
視線の先は俺の背中
「うん、ちょっときついけどなんとか大丈夫だよ?」
「・・・俺が行けたら・・・」
ぼそぼそと悲しげにいう慶次
そんな気にする事でもないのに・・・
ショボンと落ち込む姿は小さいためにとても可愛らしく見える
・・・不謹慎でごめんなさい
「てかそういや慶次置いて行っちゃったんだよな、ごめんな・・・?」
成実に連行されたためすっかり存在を忘れちゃってたけど(いやすっかりじゃない!少しっ少しだけなっ;;)
でも連れて行っても結局危なかったし
やっぱり連れて行かなくて正解だったかも
いくら強い武将でもその姿じゃ危険だもんな
「怪我して帰ってこなきゃ文句も言ってたけどな・・・」
ぼそぼそと俯き、らしくない表情をしている慶次
あぁぁ;そんなに気にしないでくれよ;
こうして無事だったんだからっ;
そんな顔されるとなんか罪悪感というかいたたまれない気持ちになるからーっ;
そう言うと
「無事じゃなかったらそんなこと言ってられないだろう・・・」
実際怪我して帰ってきてるんだし、とぶつぶつ言い返される
うぅ、まったく反論する余地がない;;
俺は謝るしか出来ないよ;
「心配かけてごめん・・・」
迷惑ばっかりかけてて、心配もかけて・・・
俺慶次に頭が上がんないよ・・・
でも謝り続けても慶次はしゅんとしたまま
困ったなぁ・・・
ネガティブは俺だけで充分だよ慶次;
あ、
「そういや伊達さんは?」
部屋貸してもらっといてあれだけどご本人の姿がさっきから見えない
むしろ目が覚めて部屋には慶次しかいないんだけどな
あれから担いできてもらったんだよな・・・
重かっただろうなぁ
人って気絶とかしたりすると重さ増すって言うし
とりあえずお礼を言わないと・・・
んで、慶次に聞いたのだけど
「知らないねぇ・・・」
ぷいっとそっぽを向かれてしまった
ついでに成実、こじゅさんのことも聞いたけどそっぽを向いて知らないの一点張り
・・・おいおいどうした慶次・・・;
なんでそんな子供みたいになっちゃってるの?;
「だって・・・怪我してるし・・・俺守れなかったし・・・」
「いやいやいや、お兄さん小さいし、女の子ならともかく俺男よ?;そんな気に病む事ないって」
「でも・・・」
頭をなでるとそれでも渋る慶次
俺、そんなに頼りないかねぇ・・・
『あぁ、頼りないな』
あ、昔なんかズバッといわれた記憶があるよ;;
うぅぅ;;酷いよ・・・
「慶次っ俺そんなに信用ないっ?」
「え、・・・い、いやそんなことは・・・;」
俺の一言に焦ったようにわたわたと言う慶次だが、実際信用はないだろう・・・
それはそうだ、俺は戦国時代とは無縁、現代人のひよっこなんだから
「確かに、俺弱いし、何もない所で転ぶし、足でまといにしかならないとは思うけど、一応腐ってても男だ」
そう、腐ってても、例え腐ってても男なんだよ俺っ!!
だから信用出来なくても信用してほしいんだよ
あれ、矛盾?;
「だから・・・えーと・・・;あれ?;」
「ど、どうしたんだい?;」
えと・・・あれ?
俺結局は何が言いたかったんだ??;;
えーと・・・
・・・・・・・
「・・・・・・;;;」
「言いたい事忘れたのかい・・・?;」
「・・・えへ」
うぅぅぅぅ・・・
慶次の呆れたような視線が痛い;;
とりあえず、男だって事をアピールしたかったんだよっ多分!!;
あー・・・
ちょっと脳内整理しないと出てこないぞ・・・うん;
俺がうーん・・・と悩んでいると足音が聞こえ襖がそっと開いた
「・・・・・・大丈夫か・・・?」
「しげ??」
遠慮がちに顔を覗かせてきたのは成実だった
眉は情けなく八の字に下がり
らしくない表情をしていて・・・
・・・ほわっと・・・?
そのとき俺は気づかなかった
この後のシゲの行動で自分がどれだけの事をして
そして俺の行動でとある人がとんでもない事を考えていたなんて
俺は考えもつかなかったんだ
NEXT
恒例舞台裏
佐:ちょっと、上げるの遅すぎ・・・
兄:ネタづまりだったんだって
親:やっと慶次が出てきたなー
政:よかったなこやしにならなくて
慶:失礼だなぁ!!;;
幸:でも今回ので少し話が進みそうと青凪が言っていたでござるよ?
佐:いい加減話進めてかないと止まっちゃいそうで怖いんでしょ
親:あー・・・管理人飽きっぽいからな・・・意外と
政:進める時は進めんだがな・・・
成:手描き日記始めたのがいけなかったんだなきっと
兄:あっちに意識がいっちゃっててこっちにまわってこないらしい
幸:最近笑顔動画もみてないらしいでござるからな・・・
佐:なんにしろ、武田を出すまでせめてとまんないでよ?俺様たちここだけの出番なんて冗談じゃないんだから・・・
親:あ、俺もおれも!!
慶:俺は出てるけど最後まで出てたいし
政:俺は別にここで止まっててくれていいんだが・・・(ボソ)
成:俺もー
幸:政宗殿達はもういいでござるっ
佐:ねー、沢山出てたし
政:んだとこの腹黒主従
兄:喧嘩するなって
親:えーと恒例次回予告『自分の立場も一応考えろ!』・・・誰だ?
成:・・・なんとなくわかるかな・・・;;
政:・・・・・・
佐:見てくれてありがとーっちゃん
幸:またよろしくお願いするでござるーっ
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