子犬でも立派なもんだ
犬がいる・・・
「ぐるるるるるるるるるるるるる・・・・」
俺ことは只今途方にくれている
バイトから帰ってきて疲労困憊で部屋に入ると、何故かいたのは犬
チビながらもぐるぐると喉を鳴らし俺を威嚇している犬は
人んちのクッションを噛みながら
どうやら俺がいない間に部屋の中をしこたま荒らしまわったようだ
・・・何故?
そもそも俺の家には犬なんかいない
じいちゃんがくれた家でまだ高校生の俺は一人暮らしをしていて
両親はいない
俺には両親の記憶なんかまったくないし
じいちゃんもあんまり両親の事を俺に言おうとしなかった
でもその分すげー可愛がってくれて、この家も一人暮らしをしたいといった俺にわざわざ譲ってくれたんだ
なんか、これ以上迷惑なんかかけたくないって思う
ただでさえじいちゃんはもう年で病弱なのに
てなわけで俺は一人暮らしの一人生活で犬どころか金魚すらかってねぇ
何故ってえさ代がかかるからだ
じいちゃんに苦労かけないように年齢ごまかしてバイトをしている俺の生活
イコール犬なんて飼ってねぇ
癒しなら本人イコール自称親友と言っている奴がいるからそれで充分まにあっている
「ちょ、こらっ;てめ、なにしやがる!!!;」
どうしたもんかと思案しているとその犬は俺の暇つぶし用に買ったPS2に目をつけかじり始めた
まだ買ったばかりの新品、しかもなけなしのバイト代で買った暇つぶしをそう簡単に壊されてたまるか;
「がぅ!!!」
「それは食い物じゃねぇ、俺の財産叩いて買った暇つぶしだ」
かじりついてる犬を抱き上げ、注意を促す
犬に注意したって犬が理解するわけがないが(しかも野良だし)
だが言わずにゃいられねぇ
「お前どっから忍び込んだよ・・・」
「がぅ」
「窓も閉まってるし玄関も閉まってた・・・」
「がぅ?」
そう、忍び込まれる場所がねぇ
マジでどっから入り込んだんだこいつ・・・
首輪ついてねぇし・・・
「・・・オスか・・・」
「がぅ!!!!!;」
ちなみについていた
まだ大きさからして子犬だろうがついてるものはご立派ご立派
その際、ひっくり返して足をかぱっと空けたら犬は吼えて激しく抵抗し俺に噛み付こうとした
「100年はぇえ」
「ギャンギャン!!;;」
俺にかみつこうなんざ犬の分際で生意気だ、
とばかり両腕を押さえつけて動けないようにしてやる
犬は俺の下でもがいているが人間様とお犬様の差は大きい
ましては子犬だしな
「さて・・・どうすっかな・・・」
誰かこいつ飼えるやつはいないかと思考をめぐらせる
流石に保健所行きは気の毒だしな
と、押さえつけた犬をよく観察してみると
「ん・・・?」
ふさふさした銀色の毛
なんか知らんが片方は赤くてもう片方は青の瞳
「・・・変わった犬だなおい・・・」
ぐりぐりと腹の辺りをなでてやるとくすぐったいのがまたジタバタ暴れ始める
構わずなで続けると俺のほうをじぃっと見て
「くーんくーん;;」
と鳴き始めた
・・・そんな元某金融会社のCMの○ーちゃんみたいな顔で見るな、似あわねぇから
犬飼う金なんかないぞ、いや、あるかもしれんが俺は世話なんかできんし・・・
「・・・やっぱ、はり紙はって誰か飼い主を・・・」
「ワン!!!」
「ぎゃ!!」
他に飼い主を探そうと俺が犬から手を離したとたん
あろう事かその犬は人の股間のあたりにすりついてきやがった
「てめっ、人の大事なところに頭すりつけてんじゃねぇこら!;」
「くーんくーん」
だから○ーちゃんみたいな目でみるんじゃねぇ
女にやられるならまだしも・・・いや、女にもやられたくねぇけど
何で犬に大事な息子・・・
「ちょ、あっ、舐めるなこらっ!!!!」
「キャン!」
軽くケツを叩くと犬はキャンキャン鳴きながら俺を睨んでくる
え、これもしかして動物虐待になるのか・・・?;
一瞬そう思い、いたたまれない気分になる
元々弱いものいじめは趣味じゃねぇしな・・・
強い奴は別だが・・・
「・・・あー・・・くそ・・・」
とりあえず気分転換に風呂でも・・・と犬を置いて風呂場に向かう
バイト帰りでべたべたとした汗を流したくてしょうがない
なにやら面倒くさいものが増えたなと、沸かしたてのふろに入る
風呂は俺にとっての癒しだ・・・まじで
「あー・・・」
「わん!」
「・・・・・・」
・・・なんで入ってきてんのお前・・・
犬は俺の服でぐりぐりと遊び、あろう事かその服をズルズルと引っ張って風呂場に入ってきた
まぁ、どうせ洗濯するのだからそれは別にいいんだが・・・
・・・何ゆえ入ってきた??
「・・・お前やっぱ飼い犬か・・・?」
「わふ?」
最初の騒ぎはどこへやら・・・
すっかり大人しくなった犬はカリカリと湯船をひっかいている
・・・入りたいのか?
「お前の飼い主は風呂好きだったのかぁ・・・?」
「わんわん」
抱き上げてやると大人しく抱き上げられる犬
なんだ、こうすると可愛げがあるじゃねぇか
尻尾をブンブン振る犬を溺れねぇように己にくっつけ
そのまま湯船にそっとつけてやる・・・と
ポンッ!!!!!
・・・・・・・・・・・・・・・
よく昔のアニメでいう・・・なんていうか変身シーンという物があるだろう
煙りとともにあんなような音が湯船に響き
俺の身体には犬の体重よりもはるかに重い圧力が身体にかかった
「・・・・・・」
「・・・・・・」
俺の見間違いであってほしい
さっきまで俺が抱いていた犬はどこへやら・・・
犬の代わりに俺より図体のでかい男がポカンとした顔で
俺の上にのしかかる状態でそこにいた・・・
NEXT
双子ズ+@の舞台裏
兄「てなわけで、第二連載、といっても第一連載終わってないけどな」
佐「えーとこっちは気まぐれなんで更新はやっぱりまちまちです、てか全体的に気まぐれだよね」
兄「舞台裏は俺と佐助がのっとるのであしからず」
佐「兄、こと俺様の影ね」
兄「普段真っ黒な奴が俺ね、BASARAキャラじゃなくてすまん」
佐「ちゃんと認識してくれてるお姉さんもいるから大丈夫だよ(多分)」
兄「ならいいんだが・・・;えと、まりも連載と微妙にこの話はリンクしています」
佐「べつにこの話オンリーでも全然大丈夫だよ」
兄「こっちの方が色んな意味で気が楽だしな」
佐「でもって鬼の旦那連載・・・だと思われます」
兄「管理人の気まぐれで他のキャラもでるかもですが」
佐「一応始めは鬼の旦那オンリーで」
兄「現代パロです」
佐「舞台裏はたまにゲストを迎えます」
兄「それはどうでもいいのでは?」
親「てか、おまえらじゃなく普通俺だよな・・・?ここ」
佐「気にしない気にしない」
親「気にする;」
兄「なお、この連載は下が多少(?)多く含まれますのでご注意を」
親「・・・・・・・・」
佐「次は鬼の旦那サイドからいきます」
兄「今回はここまで」
親「俺って不憫だよなぁ・・・;;」
2008 9/24