熱い子と鈍感な子
「慶次殿!鍛錬に付き合っていただきたく!!」
「あぁ、いいよ!」
「慶次殿!桜を見にそこまでいきませぬか?」
「おっ!いいねぇ!」
「慶次殿!!甘味を一緒に食べにいきませぬか?」
「うん、いいよ!」
・・・・・・・・
幸村よ俺の存在は無視ですか?
ずっといるんだけどなぁ・・・;
慶次しか目にはいってないのかな・・・?;
幸村が慶次に話しかけているときいつも俺は傍にいるのだが・・・
「あぁ、ごめんねーちゃん、旦那真っ直ぐだからさ;」
「いいよー別に慣れてるし」
おかんが気を利かせて出してくれたお煎餅をぽりぽり食べながら言う
ん〜美味いぜ
砂糖醤油のお煎餅
甘いはずのにちょっとしょっぱい気がするのはなんでかなぁ・・・
「あとこれ旦那のだけどこっそり・・・ね?」
「狽サ、それは・・・!」
団子ー!三色団子ー!!
美味いんだよなぁあいつの選ぶ店の団子って
「ありがとっ!!大好きだぁぁぁ三色団子!!」
「三色団子がねー・・・」
佐助が苦笑しつつも団子を渡してくれる
俺はそれをうまー、といいながらほおばった
ちょっと寂しいけどまぁ、邪魔しちゃいけないしな!
人の恋路は邪魔しちゃいけないって慶次言ってたもん!
俺もそう思うし
「慶次でも気づいてないよね」
「うん、さらっと綺麗に流しちゃってるんだよね」
おかんが面白そうに言う
「慶ちゃんって人の恋路には結構突っ込んでくるのに自分のことだと疎いからねー」
遠い目で空を見上げる
うん、俺もそう思うよおかん
こうやっておかんが近況情報を教えてくれるから
俺ものんびりとこうしてお茶を啜ってお菓子を食べてられるんだ
「ー!」
「ん?慶次?幸と甘味食べに行くんじゃなかったのか?」
だから俺おかんと甘味を食べていたんだけど・・・
ちなみにそれらはすでに俺が制覇して皿は空になってる
「ん〜行くよ!これから!」
だからお前を呼びにきたんだよ?
と慶次が言う
じ-ん・・・
・・・ユッキーごめん・・・
俺はこのお誘いに乗ろうとしています
俺すっげー嬉しいのよ、ちょぴっと感動してるんだ
ちくしょう嬉くて涙がでるぜ・・・
「ところで風来坊、旦那はどこにいるの?」
「ん?呼んでくるっていったら、佐助を探すって・・・」
おかんここにいるけどなぁ・・・
当の本人もきょとんとして慶次を見ている
えーと、と手を額に当て
「俺様旦那に呼ばれた覚えないんだけどなぁ・・・」
一言ぽつり
と、その時遠くから何かがこっちに向かってくる
赤い人が・・・
「殿ーーーーー!!!いざ尋常に勝負ぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
「狽ソょ、待った待った待ったぁぁぁ!!;;」
わざわざ着流しから戦闘服に着替えてきたらしい
走る勢いはとどまる事を知らず
幸村は俺たちのいる場所にそのままダイブっ!!
ドゴッ!!!
・・・・・・・・・・・
「「・・・・・・;;」」
「いやぁ危なかったねぇ・・・お見事!風来坊」
俺は慶次に抱え上げられ事なき事を得た・・・
もしその場にいたなら今頃ユッキーに轢かれてました俺
ついでに元襖の下敷きになって先ほど食べたお煎餅みたいにペッちゃんこになってました俺;;
にこにこ笑いながら言う
ちょ、笑い事じゃないよ、おかん!;
「危ないなぁ;幸加減しないと簡単につぶれちゃうよ?」
米かつぎをされている俺の背中をポフポフと叩きながら
幸村に駄目だろ?と注意する慶次
お、お兄ちゃんみたいだ・・・(じーん)
「うぅぅ、殿っ勝負・・・」
「へ?」
残骸から這い出てきた幸村
てか・・・勝負?;
なんで?;;俺なんかしたっけ・・・;
「旦那〜何言ってるの;ちゃん戦どころか喧嘩すらまともにできないのに;」
おかんの言うこと否定できないよ;
現代でなら殴り合いそれなりに強かったんだけどね・・・
ここじゃ通用しません・・・;
「某、殿をライバルとお見受けするっ!」
幸村の目が某伊達男を見るように俺を見ている
なんで・・・?;
どないして?;
「甘味のライバルかい幸?」
「・・・あー、御免ね、ちゃん」
焼きもちやいちゃってるみたい・・・
的外れな事を言ってる慶次
ボソッとおかんが俺に耳打ちしてきた
・・・・・
「心配しなくても慶次と俺は清い仲だよ?」
「ぶっ!;ちゃん語弊が出るような言い方しないの;」
飲みかけたお茶を噴き出したおかんが慌てて言う
幸村の周りの炎がぼっと燃え上がった
熱い・・・っ熱いよユッキー!;;
悪かった!;変なこと言ってごめん!!;;
「うん清いよなぁー!俺ら背中流しっこしたもんなっ!」
ゴォォォォ!
ぎゃぁ!!!;火に油っ!!;
慶次っそれは連載に上げてないネタだから言っちゃ駄目ッ!!
あ、ちなみにこれ連載とは一応関係ないですっ
番外って考えてね!!
「確かに殿は武術は出きないかもしれぬ、しかし・・・しかし・・・」
あれか、恋のライバルってやつ?
まいったねこりゃ
「いざ尋常に勝負っ!!」
「無理」
慶次に抱え上げられた状態だしー
動けないしー・・・
てか勝負したら俺確実に死にますぜお幸さん
ブラーンとぶら下がったまま遠い目をする俺
「そうだぞー幸、が死ぬぞ−?」
あははーと笑う慶次
笑い事じゃないぞー;
おかんーおかん止めてー助けてー頼むー
「旦那ー・・・大将に叱ってもらうよー?」
「さ、佐助・・・し、しかし」
「幸、ほらほら、早く行かないと甘味どころ閉まっちゃうぜ?」
慶次の一言で幸村がバッと反応した
いやぁ青春だねぇ・・・
ぐぬぬぬ、と幸が俺を見る
うーん俺としては仲良くやってきたいけど
これもまた面白いからよしっ!
「おかんー、慶次ー、二人とも大好きv」
「おうv俺も大好きだぞー」
「俺様もーって、おかん?おかんっていった?;」
唖然としてるおかん
ごめん俺最初からおかんとしか言ってないよ
「ユッキーも大好きだー慶次はとらないから安心してよー」
「ま、真にござるか!?」
あ、ちなみに
これぶっちゃけちゃうと拍手になりそこねたものです
ぶっちゃけすぎちゃってる気がするけどおいといて
訂正で、番外編じゃなく別物と考えてください!
本編どうなるかわからないから!
「慶次は俺のお兄ちゃんだもんなーv」
「おう!兄ちゃんだv」
だから頼むからそんな勝負とか言わないでよ
俺ユッキーとも仲良くしたいしさぁ・・・
「殿ぉ・・・」
「そんな情けない顔しないでくれよユッキー」
うんうん、ここでは俺は応援してるぜっ!
さぁ、甘味どころにいこうじゃないかv
「ははー幸村も俺を兄だと思ってくれていいよー」
ピシっ
そんな音がした・・・
慶次よ・・・本当どうして人の恋にはいろいろいうのに
自分のそういうのには弱いんだ・・・;
この後黒さま降臨っ
その黒様を押さえるのにおかんが苦労していたのは言うまでもなく
俺はこの二人が一緒にいるときは近寄らないようにしようと腹に決めた
おまけ
「おかん、お疲れ・・・」
「おかんはやめて・・・俺様佐助って名前があるからっ!」
黒さまにぼろぼろにされたおかんに俺は肩もみをしてあげた
今度愚痴を聞くから元気出してっ!;
舞台裏
慶「てわけでこれも番外編で本編に関係ないですっ」
幸「本編でもいいとも思うでござるが・・・」
佐「はいはい別だからね、旦那」
慶「何の話だー?というかこういう短編も楽しいよなー」
佐「本当は作ったのはこれの一個前の短編『おもしろければそれでよし』と同時期に書いてたんだけど・・・」
幸「管理人が上げるのを忘れていたでござる・・・」
佐「伊達慶も好きだけど幸慶も愛なんだそうです」
幸「むしろ慶次殿が受けならいいそうだ」
慶「・・・俺は上がいいのに・・・;」
佐・幸「慶次殿(ちゃん)は下!!」
慶「・・・うー・・・」
兄「短編ではネタ募集中です」
佐「文才はないけどこうやって小説考えるのは好きらしいから管理人」
慶「また見にきてやってくれな!!」
2008 4/8